【実例紹介】なぜ 吸引がなくなったか


施設に入所している母がいつも苦しそうに過ごしている姿が気になっていました。そんなある日、ネット検索で見つけた「クッションを抱えるだけで喉の『ごろごろ』がなくなるかもしれない」という記事に希望を見出しました。
母の苦しそうな表情や頻繁な吸引がこれで解決できるかもしれないと思い、実際にクッションを購入しましたが、それを施設で使ってもらうまでにはさまざまな苦労がありました。これは、その実体験をつづったお話です。
施設での悩み:苦しそうな表情と頻繁な吸引
横浜在住のKさんは、医療・介護付き有料老人ホームに77歳のお母様をご入所させています。面会に訪れると、お母様はいつも仰向けや30度側臥位で寝ており、顎が上がって口が開きっぱなしになっていることが多くありました。
眉間にシワを寄せて非常に苦しそうな表情をしており、声をかけても返事をするのがつらそうな状態です。色々話をしたいものの、話すこと自体が苦しそうで会話にならず、唾液も多いため面会中に頻繁にスタッフへ吸引を頼まざるを得ませんでした。

クッションとの出会い
手と足を乗せるだけで呼吸が楽になり吸引が減ると言うクッションをネットで見つけました。本当にクッションだけで変わるのだろうか。画像を見たり、説明を読んでみると、今の母の状況とそっくりなので楽になるのではないかと思い購入しました。
面会時に持っていき、取説と付属のDVDを見ながら調整しました。確かに眉間の険しいしわも取れ、母に「どう?楽になった。」と聞くと軽くうなずきました。呼吸も楽になり落ち着いています。
そして、何気なしにテレビのスイッチを付けると母の笑い声が聞こえました。自宅でテレビを見ながら笑って以来なので4年は一緒にテレビを見て笑ったことがありませんでした。

入院中はもとより施設に入所中でもテレビはあったけど一緒に同じ番組を見ることはなかった。面会時のほとんど母は天井を見ていました。唾液誤嚥予防と思って購入したものがまさか一緒にテレビを見れることになるとは思いもよりません。でもこの瞬間「これだ」と思いました。クッション一つで母が変わり、私と共有する時間や空気まで変わるとは信じられません。
施設では備品の持ち込みはOKだったので、職員に見せて使ってもらうようにしました。
現場スタッフへの伝達の壁
しかし、翌週面会に行くとクッションは外され、再びいつもの仰向けの姿勢に戻ってしまっていました。交代制で多くの介護職員が関わる施設では、毎回正しく周知・継続してもらうことが難しかったのです。面会に行くたびにKさんが都度クッションを設置し直していました。
「回復体位をすると明らかに表情が楽そうになる」と感じています。
Kさんは看護師にも相談しましたが、現場の理解や協力を得るには至らず、なかなかうまく行きませんでした。
専門家への相談とZoomによる丁寧な手厚い指導
状況を打開するため、Kさんはチラシに記載されていた販売元に直接電話で相談しました。遠方であったため、オンライン(Zoom)を利用して姿勢調整の指導を受けることになりました。
Zoom指導では、
回復体位の具体的なポイントをはじめ、
なぜ唾液の誤嚥予防に効果的なのか
どうして唾液を口から外に出すことで吸引が減るのか
右手に拘縮(こうしゅく)がある場合はどう対応すべきか
24時間ずっと側臥位を保つ必要があるのか
など、個別の疑問や不安についても一つひとつ丁寧に答えてもらうことができました。
さらに、仰向けの状態からどのようにして回復体位を作るのか(上の手や足の位置の調整など)、具体的な手順を詳しく教わりました。

施設職員への共有と、驚くべき変化
Kさんは指導時の写真を撮影し、録画されたZoomの指導動画を何度も見返して理解を深めました。そして、正しい姿勢とその根拠を施設の看護師や介護スタッフへしっかりと説明しました。
ただ「横を向かせる」だけでは施設職員に意図が伝わらず実施してもらえませんが、正しい姿勢と「なぜそれが必要か」という理由を納得してもらうことで、現場でも適切に回復体位を実施してもらえるようになりました。
しっかりと回復体位が保たれるようになると、あんなに頻繁に必要だった吸引が必要なくなり、母の表情も格段に穏やかで楽そうになりました。納得のいく結果を出すために、Zoomサポートを受けて本当に良かったと実感しています。
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