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ご家族からの思いがけないお電話:小田原へ想いを届けに行きたいです

執筆者の写真: maedaeasyswallow
maedaeasyswallow
11 分前
読了時間: 4分

介護で選択肢の少なさや不安に直面し、葛藤を抱える家族は多いです。「何かできることはなかったのか」という問いは、介護が終わった後も心に残ります。


「もうこのままでは死んでしまう。

最後は自宅で看取りたい。」


と感情を看護師や医師にぶつけても、病状が安定していないから今はできません。

最後の別れさえ十分出来なかった後悔の念を引きずって過ごすご家族もおられます。

その家族から突然電話をいただきました。


相手は2年前にサポートした遺族でした。

普段はZoomで相談を受けますが、相手の言葉には熱がありました。 


「前田さん覚えていますか? 2年ほど前に父のことで色々とお世話になった〇〇です。

今、前田さんがZoomで完全側臥位法を家族に教えていることを知りました。

お願いできるかどうか知りたくてお電話しました。


現地まで来てくださることはできますか。小田原で完全側臥位(かんぜんそくがい)を知らない家族に、方法を伝えてください」

小田原へ来てほしいという依頼でした。依頼の動機は自身の介護のためではありません。「同じように困っている人や必要としている人に知ってほしい」という情熱によるものでした。



悔しさを希望へ変える利他心



2年前に家族を看取った方が、勉強会の開催を望む理由は何でしょうか。そこには消えない悔しさがありました。

父が入院していた当時、家族は「退院したら完全側臥位で食べさせてあげたい」と願っていました。しかし病院では「回復体位」すらとってもらえず、吸引と点滴が続く毎日でした。

入院から1ヶ月後、家族は「退院させて自宅でケアしたい」と病院に伝えました。しかし調整は進まず、2週間後にお父様は亡くなりました。


退院して完全側臥位で食べさせてあげられなかったこと、ケアに取り組んだ実感が得られず別れたことが心残りでした。


それでも、その方は立ち止まりませんでした。父を亡くされてから2年間、知人と話す中で体験を語り、「役に立つ情報はないか」と模索しました。そして周囲で悩む人の声を聞き、悔しさを希望へ変えるため動き出しました。


「場所の確保はどうするか」「人数の目安はいくつか」「費用はいくらか」という質問の数は、希望を届けたい想いの表れでした。


電話の中で語られた言葉には利他心が溢れていました。

「私には必要ありません。完全側臥位を使う親はいないからです。だけど周りに知ってほしい人がいるので伝えてほしいです」


介護で必要な「希望を持って取り組む」充足感


この家族の歩みは、介護の事実を示しています。現場で必要なのは技術的成果だけではありません。家族が「希望を持ってケアに取り組めている」という充足感です。


病院でのケアでは吸引や点滴が優先され、家族が望む「完全側臥位で口から食べる機会」を試せない場合があります。痛みは成果よりも「試したかったケアを検討すらできなかった」という拒絶にあります。


完全側臥位を試し、結果が得られなかったとしても「選択肢を試した」という経過があれば、記憶が残ります。試すことすら奪われるから後悔が残ります。


姿勢を工夫して誤嚥を防ぐ「完全側臥位法」は手技にとどまりません。「口から食べられるかもしれない」「手でしてあげられることがある」という希望です。


専門知識を超えた「家族目線」のアプローチ




小田原で開催を目指す勉強会で求められているのは講義ではありません。家族の目線に立ち、生活がどのように変わるのかというアプローチです。


当日は用語を使わず、現場で起きた変化を家族の実感として伝える必要があります。

  • 吸引の苦しみから解放され、夜眠れるようになった事例

  • 3年間胃ろうだったが、体位調整で口から食べられるようになった事例

  • 眉間にしわを寄せて苦しそうな表情が穏やかに静かな寝息を聞ける幸せ

  • 機器がなくてもベッドや布団で実践できる体位づくりのポイント

  • 「状況に応じた対応が可能か」という悩みに対するアドバイス


ケアを担保するための根拠として、完全側臥位で誤嚥や唾液の落ち込みを防げるメカニズムも噛み砕いて伝えます。


「5人でも、家族がいてくださるなら足を運びたい」——その想いは家族の熱量と響き合っています。


未来に向けた問いかけ


父への心残りから始まった小田原への訪問は、介護の現場で苦しむ人へ希望を手渡す一歩です。

知識がないために選択肢が狭まり、諦める状況は、情報と手助けがあれば変えられます。

少人数であっても、答えを探している人がいる限り、伝えていく価値があります。

介護は、知識と選択肢を得ることで、苦しみから納得と希望へ変えられます。

抱えている介護の苦しみや心残りは、知識と希望で変えられませんか?


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