3年ぶりの「いただきます」- 胃ろうの母と家族が取り戻した、食卓の奇跡の物語「食べたい…」
- maedaeasyswallow
- 2025年9月10日
- 読了時間: 7分

ベッドに横たわる母のかすれた声が、私の胸を締め付けます。
胃ろうになってから、もう3年。口から食べることは固く禁じられています。
「リハビリをすれば、また口から食べられる可能性がある」
その言葉を信じて胃ろうにしたのに、在宅では食べる訓練をしてくれる言語聴覚士(ST)さえ見つからない。日に日に弱っていく母の「食べたい」という訴えに、私たちはなすすべもなく、ただただ悩み、心を痛める毎日でした。
【闇の中に差し込んだ、一筋の光】

出口のないトンネルをさまようような日々。私は、祈るような気持ちで携帯電話の画面をなぞっていました。その時、偶然にも**「完全側臥位法(かんぜんそくがいほう)」**という言葉が目に飛び込んできたのです。
読み進めると、そこには同じように胃ろうで食べられなかった方が、再び口から食事を楽しんでいる体験談が綴られていました。のどの中の構造をモデルで解説し、誤嚥しにくい安全な姿勢で飲み込むことができる、と。
「この方法なら、母ももう一度…!」
気持ちが高揚し、藁にもすがる思いで、そこに書かれていた電話番号を震える手で押しました。
電話の向こうの優しい声に、私はこれまでの経緯を夢中で話しました。誤嚥性肺炎で入院し、経口摂取が禁止になったこと。それでも母には、強い「食べる意欲」があること。すると、その方は静かに、しかし力強い声でこう言ってくれたのです。
「意思の疎通ができて、食べる意欲がおありなら、大丈夫。安全な姿勢をとれば、再び食べられる可能性は非常に高いですよ」
その言葉は、まるで暗闇の中に差し込んだ一筋の光でした。絶望の淵にいた私の心に、温かい希望の灯がともった瞬間でした。幸運なことに、そのアドバイザーの方は近くにお住まいで、すぐに訪問指導に来てくださることになったのです。

【アドバイザーと共に歩んだ1日 ― そこに起きた奇跡】
【1食目:3年ぶりの食事。魂が震えるほどの感動】
アドバイザーの方の指導のもと、いよいよ「その時」が来ました。
母を慎重に横向きにし、頭の高さや体の支え方など、一つひとつ丁寧に教わった通りの「完全側臥位」の姿勢を整えます。安全性を最優先し、とろみをつけたお茶と、なめらかに仕上げたヨーグルトを用意しました。
「さあ、お母さまの口に運んでみてください」
アドバイザーに促され、私は恐る恐る、震える手でスプーンを母の口元へ。時が止まったかのように感じました。すると、母はゆっくりと口をもぐもぐと動かし…次の瞬間、
「ごっくん」
という、命の音が聞こえたのです。
むせない!苦しそうじゃない!
続けてヨーグルトを口に運ぶと、それもまた、ちゃんと飲み込んでくれました。3年ぶりでした。母が、自分の口で、食べ物を味わい、飲み込んだのです。その光景を目の当たりにして、張り詰めていた緊張の糸が切れ、安堵と喜びで涙が溢れ出しました。心の底から「よかった…」という言葉しか出てきませんでした。
昼食までの時間、私たちは唾液の誤嚥を防ぐための姿勢についても学びました。衝撃的だったのは、これまで良かれと思ってリハビリの先生に教わっていた姿勢が、実は唾液の誤嚥を誘発する危険な姿勢だったという事実です。母が時折激しくせき込む光景が脳裏をよぎり、背筋が凍る思いがしました。食事の時だけでなく、普段からこの安全な姿勢を保つことが、母の命を守ることに繋がるのだと、私は固く心に誓いました。
【2食目:母の笑顔が、私たちの太陽になった】

昼前、目を覚ました母に2回目の食事介助を行いました。一度成功したことで、私の心には少しだけ余裕が生まれていました。
「お母さまが何回もぐもぐしたら、次の一口を欲しそうに口を開けるか、数えてみましょう。そのタイミングに合わせてあげると、お互いにストレスなく、もっとスムーズに食べられますよ」
アドバイザーの助言通りに実践すると、驚くほど食事のリズムが合います。その時でした。
母が、私を見て、ふっと口元をゆるめ、にこっと笑ってくれたのです。
ここ数ヶ月、いや、もしかしたら病気になってから初めて見るような、穏やかで幸せそうな笑顔でした。
この笑顔が見たかった。ただ、この笑顔が見たかったんだ。
嬉しくて、愛おしくて、また涙がこみ上げてきました。食べられる喜びが、母の表情をこんなにも豊かにしてくれる。その事実が、何よりも私たちの心を救ってくれたのです。

【3食目:確かな自信と、未来への希望】
3食目の介助をする頃には、私の心には確かな自信が芽生えていました。母も、美味しいのか、笑顔でゼリーを頬張ってくれます。その穏やかな姿を見ているだけで、私の心も満たされていきました。
不安で心が折れそうだった私に、アドバイザーの方は優しく語りかけます。
「将来の目標として、もう一度車椅子でお散歩に行きましょう。そのために何ができるか、これから前向きに考えていきましょう」
3年間口から食べられなかったのが嘘のように、私たちの未来に、明るい希望の光がはっきりと見えた瞬間でした。
取り戻した穏やかな日常 ― 介護が「楽」になった
あの日から、私たちの生活は一変しました。
完全側臥位法を始めてから、母の笑顔が目に見えて増え、夜もスヤスヤと気持ちよさそうに眠ってくれるようになったのです。その寝顔を見ていると、私も安心して眠りにつくことができます。心配事が一つ、また一つと消えていき、あれほど辛かった介護そのものが、驚くほど楽になりました。
たった8時間。あの日、勇気を出してかけた一本の電話が、私たちの人生を変えてくれました。それは、ただ「食べる」という機能を取り戻しただけではない。失いかけていた家族の笑顔と、穏やかな日常、そして未来への希望を取り戻すための、奇跡の8時間だったのです。
もう一度「食べる喜び」を。1日で学ぶ「完全側臥位法」徹底サポート
この体験談のように、食べることを諦めかけている方とそのご家族のために、アドバイザーがご自宅に伺い、3食の食事に付き添いながら安全な経口摂取をゼロから徹底的にサポートします。
安全な「姿勢」の作り方 もう二度と誤嚥させないための、正しいポジショニングを習得します。
誤嚥させない「理論」 なぜこの方法が安全なのか、その科学的根拠を分かりやすくお伝えします。
最適な「食形態」の見極め あなたの大切な人が、今、何を安全に食べられるのかを一緒に考え、作ります。
【1日のサポートの流れ(例)】
《1食目》 食べる前の準備から、正しい姿勢づくり、安全な一口目の介助方法までを実践します。
《理論と実践 1》
完全側臥位法の理論と効果
危険な姿勢と安全な姿勢の違い(動画やイラストで分かりやすく解説)
ご家族に合った姿勢の作り方と記録
《2食目》
食事時間を有効に使う工夫
ご本人の食べるタイミングのつかみ方
《理論と実践 2》
ご家庭でできる安全な食形態の調理法
少量でも栄養価を上げるカロリーアップ術
《3食目》
ご本人の好きな味や食べやすい形態を探します。
今後の食事計画(栄養摂取表)を一緒に作成し、介護の負担を減らします。
3食目の介助を終える頃には、あなた自身が自信を持って食事介助できるようになっています。さらに、ヘルパーさんなど他の介護者にも、その方法を的確に教えることができるレベルを目指します。
なぜ、このご家族が3年ぶりに食べることができたのか。
まずは以下の4つのポイントをチェックしてみてください。
嚥下検査は「座った姿勢」で行ったか
自分の唾液(つば)を問題なく飲み込めているか
横になった姿勢を無理なく、楽に保てるか
本人が「楽」「苦しい」などの意思表示を明確にできるか。
これらに「はい」と答えられるものが多いほど、完全側臥位法を試して食べる喜びを取り戻せる価値は非常に高いと言えます。
次の動画を見目れば、あなたも口から食べられる可能性があるかもしれません。
まずは無料お悩み相談を
問合せ
「食べたい・食べさせたいを叶える家族会」
完全側臥位法アドバイザー 前田悟
携帯電話 090-3628-0417(お電話に出れない場合もあります。)




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